えー、私いまさらながら読みました。「火花」。
芥川賞を受賞して時の人となったピース又吉の著書でございます。
たくさんの人がすでに読まれたとは思いますが、私個人としての感想をまとめていきたいと思います。
それではレッツゴー。
あらすじ
売れない芸人の主人公。
とあるイベントで知り合った天才肌の先輩芸人との交流によって「笑い」とは何かを肌で感じていく。
夢を追い、夢を諦め、そこに滞在する熱と失望。
憧れと憎しみを両方握って泣きながら生きていく。そんな小説でした。
純文学というものに囚われずに物語そのものを楽しんでいだきたいと僕は思います。
レビュー
夢追い人が闘うべき現実と理想の間。
共に走りはじめた仲間が次々に消えていってしまう厳しい世界の中で主人公と先輩芸人との心の交流を描く。
僕はこの小説を読んで大変感動しました。
少なからず夢を追ったことのある人、夢を諦めたことのある人、夢を追いかけている人には感じるものがあると思いました。
そして特に感心したのは主人公の心のゆらめき。
先輩芸人に向けての尊敬とも憧れとも取れるすごく繊細な感情がとてもよく表現されていて、これは又吉の強みだなと感じました。
ただ、この小説は僕の周りでもかなりの人が読んでいたらしく意見は様々。
中には「ぜんぜん面白くなかった」という人までいました。
たぶんですけど、夢を追う、志半ばで諦めなくてはならなかった人なんかは響くものがあるとは思いますが、「普通」の道をたどってきた人には理解できないものがあると思います。
リスキーな道を絶ってきた人には理解しがたい物語かもしれません。
人を選ぶ小説ですがハマる人にはきっと心に残るものがある小説だと思いました。