前回の記事「死にたいと言われたら~境界性人格障害の場合~」の記事もすでに何人かの方が見てくれたみたいで非常に嬉しいです。
こんなことを書いてしまうと角が立つかもしれませんが特別なことや専門的な知識は特に書いていません。
いくつかの選択肢の中で「死にたい」と言われた方が迷わなくてもいいようにと、書かせていただきました。
精神疾病は例えば「鬱病」をとってみても症状は人によってまちまちです。
その人の症状はその人だけのものです。支える人は「一般的にこうだから」とか「お医者さんが言うんだから」ではなく、その人の「プロ」になるつもりで理解をしてあげてください。
では今回はパニック障害と非定型うつの場合を書かせていただきます。
パニック障害
何かのキッカケで何かのトラウマで、あるいは何もなく発症するパニック障害。
「障害」と名前がついていますが言葉の意味でいう「それ」とは異なり「症状」や「発作」といった意味合いが強いです。
例えば、人ごみで息苦しくなり過呼吸を起こし、涙が止まらなくなったり。
例えば、誰かに強く言われたことで感情が不安定になり、心が潰れてしまいそうになったり。
人によってパニックになるものが違うということをまずは知っていただきたい。
他人から見ればそれはとても些細なことであっても本人の心の中では目まぐるしくいろいろな情報と感情と混乱が竜巻のように巻き起こっています。
自分でコントロールができないので苦しい気持ちと周りの人間に迷惑をかけてしまうという自責からマイナス思考になりがちです。
「もし、またパニックが起こったら・・・。」といったようにパニック発作自体を予期して不安になる「予期不安」というものに心が支配され常に低い位置で不安を心に抱えています。
SSRI(抗不安薬など)を服用することによって症状は抑えられますが、薬だけでは症状の回復は見込めないのが現状です。
非定型うつ
若い女性になりやすく、パニック障害などと併発しやすいことでも知られている「うつ病」の一種です。
非定型と付いていますが元は気分障害の亜種ということでカテゴリー的には「うつ病」と同じですが、その症状はまるで別物です。
なので「頑張らなくていいよ」などの言葉はこの症状には効果はないと言われています。
非定型うつの特徴として
- 常に気分が落ちている
- 漠然とした自殺願望をもっている
- 夜になるにつれて気分が落ちていく
- 完璧主義
- コミュニケーションが苦手
といった特徴があります。
この非定型うつに関してはパニック障害で書かせていただいたSSRI(抗不安薬など)の薬はほぼ効き目がありません。
また、女性に多いということで生理の周期などの関係で気分が荒れやすく、落ち着いていたのに不安定になるといったことを繰り返すため周りの理解とサポートがとても重要な鍵を握っています。
治療方法
パニック障害は基本的には薬での治療が中心となっていきますがそれと並行してカウンセリング等でパニックを克服する訓練が重要になっていきます。
非定型うつに関しても潜在するその人の価値観、考え方、思想を含め壊れてしまっている自尊心を修復していくことが必要になっていきます。
こちらもカウンセリング等で過去のトラウマや家庭環境、現在の心を占めている不安などを対話からほぐしていき考え方の選択肢を示すことで症状が落ち着いていきます。
カウンセリング等の専門的な方法についてはここでは割愛します。
死にたいと言われたら
可能な限り、非定はせず、吐き出せるだけ死にたいという言葉を吐き出させてください。
こちら側の返答は「そうだね、死ぬほど苦しいよね」といった言葉で同調しましょう。
しかし決して「死ね」という意味で捉えられないようにしてください。
マイナス思考が強い傾向にあるのと同時に言葉の尻じりを捉えるとき頭の回転は想像以上でこちらが意図していない捉え方に置き換えて飲み込んでしまうことが多々あります。
ですから「断定はしないが否定もしない」といった曖昧な表現で結構です。
対峙している状態ならば手や背中などをさすりながら気分が落ち着くのを一緒に待ちましょう。
「未来」の話なんかせずにその人の好きなこと、好きそうなこと、または明るくなるような話題で気分をそらしてあげましょう。
さりげなく、「私はあなたが必要だ」ということを態度や言葉で伝えてあげてください。
あとがき
こういった内容の記事は非常にセンセーショナルです。
僕は実際に今、パニック障害を持つ方に相談という形でお話を聞いているような状況で何度も「死にたい」と言われています。
それでもその人が笑顔になる日を目指し、共にカウンセリングという形で頑張っています。
様々な方がこういた内容の記事を書いています。
みなさん何かと常に闘っています。あなたは一人ではありません。
一人にはさせません。
という気持ちで明日も。