君の順番だ
そんな言葉が帯に記されたこの小説は僕が本屋で手に取るには十分なきっかけを与えてくれました。
実際に読んでみると、短編集が折り重なりひとつの物語を成している。
群像劇というカテゴリーのひとつになるのだろうけど、確かに胸に響くメッセージがひとつひとつの物語に隠されていて。
ストーリー
短編集なので独立した物語になっているのですが、それぞれがリンクした形として世界観を表現しています。
伊坂作品には珍しく、がっつりと恋愛描写があるので普段の特殊な設定や殺人事件が好きな方には少し抵抗があるかもしれません。
それでも余りあるメッセージ性。
ラストは涙ぐんでしまう場面もありました。
感想
とあるボクシングの世界戦を軸に進んでいく物語で、それをテレビで観ていた人、その世界戦が人生を変えた人、もちろん戦っている本人に至るまでさまざまなストーリーが描かれています。
最後の話ではそれらがひとつにまとまり、読者に力強いメッセージが隠されています。
とはいえ結局は小説なので読み手の解釈次第ではありますが、少なくとも僕はそう感じました。
悲観ばかりの世の中で楽観的な歌を歌う。
斉藤和義さんの楽曲の作詞をオファーされたことで書き上げた小説らしいのですが、実際に物語のなかに斉藤さんという人物が登場します。(笑)
まぁこのへんは読んでからのお楽しみということで。
まるでドコモのCMを小説化したような物語だったので非常に読んでいて面白かったです。
伊坂作品が苦手な人も、そうでない人も、はたまた小説を読んだことがない人も超絶おススメです。