はい、どうも。
本日、映画「渇き」を観てきました。
ネタバレなしの感想をまとめたいと思いますのでお付き合いをよろしくどうぞ。
はい、というわけでね、早速はじめていきたいと思いますけれども。
今作「渇き」は小説「果てしなき渇き」を原作とした作品でございます。
監督は「告白」で話題をさらった中島哲也監督。
役所広司主演でかつてないエンターテイメントに仕上がっております。
圧倒的なカメラワーク
中島監督独特のカメラワークといいますか、すべてが伏線のような撮り方はもはや彼の味となっておりますね。
中でも編集が神がかっておりまして物語の性質上「過去」と「現在」が幾度となく交差してストーリーを浮き彫りにさせていくのですがその編集がとにかくすごい。
前情報を何も持ってなくてものめり込めるような出来に仕上がっております。
とにかく「渇いている」
劇中は夏の設定ですので気温が高い描写はないものの、登場人物は基本的に汗ばんでいます。
なかでも主演の役所広司はずっと汗かきっぱなし。
見てるこっちが喉が渇くものです。
じりじりとした熱気のなかで事件の本質に少しずつ迫っていく様子がなんとも言えない「疲労感」を観てる側にも感じさせます。
これも演出のひとつなんでしょう。
放送禁止用語連発
基本的に汚い言葉が飛び交います。
そしてまともな人間が誰も出てきません。
つまりクソ野郎しかこの映画には出てこないということですね。
バイオレンスあり、エロティックあり、ドラッグあり、とまさにアンダーグラウンドな映画となっております。
こういう展開の作品に抵抗がある方は遠慮された方がよさそうです。
割とグロいので。そりゃR15指定になるわといった感じでしょうか(笑)
俳優陣がとにかく豪華
中谷美紀やらオダギリジョーやら妻夫木聡やら橋本愛やらとにかく豪華です。
そしてみんなイカれてます(笑)
小松菜奈だけはまだ少し演技に対して「がんばりましょう」という感じでした。
とにかくブッ飛んでますね。
感想まとめ
公式サイトなんかを見てみるとツイッターで感想をつぶやいている人の一覧が出てきますがなんだかみんな否定的なことばかりのような気が・・。
ただ、これが中島監督の狙いだと思うとまんまとハマってるわけで。
僕はこの映画はとても面白く楽しめました。
下衆い奴しか出てこないのもよかったし、役所さんの葛藤と孤独と不器用さも分かる気がしました。
ただこの映画は物凄く「極端」なだけで、「ここまではいかないにしても」というようなクズみたいな連中は世の中に溢れています。
作中で「ゴミのような人間」という言葉が出てきますが僕はこのような人間はいないとマザーテレサのようなことは1mmも思いません。
実際に人を殺しまくる人だっているし、殺しはしなくともそれに似たことを平気でやれる人だっている。
人を傷つけてヘラヘラしてるクソだっているし、女性議員にセクハラヤジを飛ばしてシラをきってた馬鹿そうなクズだっているしそれをネタにテレビにまででちゃう勘違い議員だっている。
まぁ政治家の方々は少し違いますが選挙で選ばれたからといって住民の総意だと勘違いし腐ってる程度の悪い人間しかいませんからまともな政治ができるわけありませんよね。
話しがそれましたが本当にクソばかりなんですこの世界は。
それもこれも元を辿れば親が悪くて、その親を育てた祖父母が悪くて、その祖父母を育てた先祖が悪くて、最終的には国が悪いということになってしまう。
クソみたいな環境出身の奴はどこでその負のループを断ち切るか。
それが宿命であり、命題なんですが人間ってそこまで強くはないみたいで道を外しがちなんですよね。
その間の部分での壊れていく過程がまさにこの映画「渇き」です。
なのでこの映画を理解できない人たちはさぞかし裕福でなんの問題も抱えていない人たちなんだろうなぁと少し思います。
後味は確かに悪くて変な「気持ち悪さ」しか残りませんが、ハッピーエンドありきの映画を見続けるよりこういう映画を見て停滞しがちな自身の価値観に風穴を開けてみてはいかがでしょうか?
いい意味で「疲れる」映画だなぁと僕は思いました。