世の中に起こっている事件や出来事はテレビなどの報道メディアを通して全国に発信されています。
ネットでは秒単位で新しい情報が出てきて、ユーザーは新しい情報を選択しながら生活を送っています。
でも、流れるように過ぎていく時代のなかで、一つの出来事に焦点をあて、深くまで知った場合に我々が認識していた今までの角度にはどのような影響があるのでしょうか。
悲惨な事件の裏側で傷ついている人たちもいて、想像力が追いつかない僕らにはきちんと現実で起こっていることを知る義務があると思うんです。
今宵はそんな「角度」のお話。
ニュースの情報だけでは伝わらない
ニュースで伝えられる情報には事件の裏側はもちろん、人の感情やバックボーンにまで目は向けられません。
そのため、我々は伝えられる情報が「それが全て」だと錯覚してさも全部の情報を知っているかのように「知ったかぶり」をしてしまいます。
実際に起こっている事件や出来事はきちんと深くまで理解するとまったく違う顔を見せます。
漠然と持っていたイメージがきちんと調べて理解したときに「本当はそんなことじゃなかったんだ」と思い知らされることばかりです。
新聞やニュースだけでは得られない情報。
ノンフィクションであるすべての事柄を知ろうとするのは無理だとしてもご自分で興味のあるものを知ろうとするのもいい勉強になると思います。
そこでイメージを膨らませ、社会問題について考え、思いやりのある人間に・・なんて書くと少々嘘っぽくなりますが、本音を言えば怖いもの見たさで凄惨な事件の記事を読むのでもいいと思うんです。
被害者の感情やそこに至るまでの経緯を含め、社会の流れのなかで起こる事件に我々の責任が1mmもないとは言い切れないものばかりです。
まずはそこにある事実を知ろうとすることからどうかはじめてください。
凄惨な事件のノンフィクション
その犯人の残忍さやそこに至るまでの経緯などから巷では「サイコパス」という言葉が多く飛び交うようになりました。
伊藤英明主演の「悪の教典」なんかはサイコパスの教師が自分の教え子を殺しまくるというお話でしたが、
実際のサイコパスの方々とは多少違う感じがしました。
海外でもサイコパスの事件というのはとても多く、映画化や書籍化などされていますが、今回は日本の書籍をおってみましょう。
北九州・連続監禁殺人事件
よく言われているのがこの事件は21世紀の日本史上最悪の事件だということ。
その異常性もさることながら残虐性と巧妙に入り組んだ真相に日本中が震撼しました。
ただ、少し複雑でありあまりにも残虐な事件のため報道規制なのかどの局でもあまり熱心に取り扱っていなかったような気がします。
今回ご紹介している本は新潮社から出ているルポタージュです。
度重なる取材の結果、見えてきた事件の真相を知ったとき、この事件に対する理解度も含めた「角度」がガラッと変わることでしょう。
かなりきつい描写がありますので、苦手な方は控えてください。
社会問題のノンフィクション
社会問題というのはいろいろあります。
例えば原発のことだってそうだし、自殺や精神医療のことだってそう、いじめや環境問題、政治などのこともそうですね。
社会問題というのは国民が一人一人きちんと意見を持ち、明確な意思を持たなければ一生解決しません。
つまり、「誰かが何とかしてくれるだろう」という考えではいつまでたってもよくはならないのです。
あなたがもしそのようにお考えで普段から社会問題なんて何も考えていなかったとしたら、今日、この日に命を絶った少年はあなたが殺したことになる。
それは僕らも同じで「見て見ぬふり」をしているのは結局は加害者と同じところにいるということになります。
そりゃあ直接的に危害を加えたわけではありません。
ですが、命を絶った少年は例えばいじめが原因で行動を起こしたとしたときに、その加害者が悪いということになります。
でもその加害者がいじめなんてくだらないことをするようになったのはもしかしたら親の教育や育て方に問題があったのかもしれない。
親の子供に対する考え方に問題があったのかもしれない。
ではなぜ、親はそんな風になってしまったのか。仕事が忙しく時間がなかった?自分も同じように親に育てられた?
結局は回りまわってそんな子供に育てた親、親の親、親の友人環境、会社の環境、すべてが少しずつ悪いことになります。
僕らが普段何気なく交わした言葉で傷つく人もいて、その傷ついた人はそれがトラウマで性格が歪んでしまい、将来の子供に変な教育をするようになるかもしれない。そしてその子供が他人をいじめるかもしれない。
間接的に、それもかなり拡大解釈ですがそう思います。
そんなことを考えるきっかけになったのは自殺についてのノンフィクションを読んだあとでした。
自殺
自費出版で出ているこちらの「遺書」は若者たちが残した遺書をもとに遺族の方々を取材を通して命の大切さを訴えるものとなっています。
遺書の全文が公開されており、かなり生々しいものとなっていますが、社会問題を考えるきっかけとして僕はページをめくる手が止まりませんでした。
流星ひとつ
自殺で亡くなった宇多田ヒカルの母、藤圭子さんの若い頃のインタビューをまとめたルポタージュです。
沢木耕太郎という作家がバーで歌について、生い立ちについて、抱えている闇についてバーボンと一緒にインタビューを展開していきます。
彼女が歌に託した魂と死に至るまでの精神状態を辿るルーツとして「生きる」ことがどれほど大変でどれほど素晴らしいかを表現している作品だと思います。
アングラ系ノンフィクション
アンダーグラウンドの世界は普段我々一般人からでは非常に見えにくいものです。
飲みに出かけたりするときに街にはどういう組織がいて、どういう連中がうろうろしているかを把握するだけでもトラブルシューティングにはなるかと思います。
これもノンフィクションですが、少々文章力に難があり、読みづらい部分があります。
内容はやはりノンフィクションだけあって実際の出来事なので温度が高いというか非常によく描写されていると思います。
ゴシップ誌なんかよりもよっぽど信頼できると思います。
こちら。
アングラ
六本木人違い襲撃事件から初公判にいたるまでの関東連合の出来事を綴ったノンフィクションです。
半グレと呼ばれる連中が何をしてきたか、そして何を考え行動にでたのか。
これを読むだけでかなり理解できるとおもいます。
ヤンキー漫画を読むよりもよっぽど刺激的なお話になってると問います。
あとがき
ノンフィクションははじめは読むのつらいかもしれないけど、内容が頭のなかにはいってきたら格段に面白くなってくるし、自分の考え方の角度は明らかに増える。
だから君もノンフィクションを読もう!