硬い壁にぶち当たったとき、何もうまくいかない毎日が続いたとき、いいことがひとつも起きないとき。

きっとあなたはこう言うだろう。

「なんでいつも俺ばっか・・。」

そう、いつもあなたばかりが損をして、あなたばかりがつらい目に合ってしまう。

そう誰もが思っているのです。

価値観を変えるきっかけはそこら中に転がっていて、自分を変えるきっかけは足元に散らばっている。

そこに「気付く」ことが出来るかどうか。

今宵はそんなお話。

数あるメンタル的な本

メンタルを強くするだとか、前向きになるだとか、そういった内容の書籍が最近は腐る程増えています。

それはなぜか。

売れるからです。

では、なぜ売れるのか。

疲れている人が多いからです。

そう考えるとこんな書籍ばかり出す出版社というのは商売とは言え実に汚いやり方を露骨にとってきますね。

例えばこんなもの。

このうち最後に紹介した「つらかった過去を手放す本」ですが、いいですかみなさん。

これから僕は本題に入らずに多いに脱線しますよ(笑

辛かった過去を手放すことなんて誰にもできません。

それこそロボトミー手術なんてものをして廃人にでもなってしまえば過去を忘れることはできるでしょうけど。

人生はひとりにひとつ与えられるもので、その時間の経過のなかで体験する出来事は二つとないものです。

そして、その経験をしたという事実はずっと残ります。記憶にも心にも。

つまり、辛かった過去を手放すんじゃなく、自分のものにきちんとできるかどうか。

僕は人間が美しく、汚く、かっこよく生きるために必要なのはその点だと思います。

というわけでこの手の書籍は「はい、感動するでしょ?」的なスタンスでいるためあまりオススメしません。

須藤元気という男

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格闘家としていちやく有名になった彼は現在はworldorderというグループで活動していますね。

実は彼、著書を何冊か出しているんです。

たまたま実家近くの本屋さんに行ったときにタイトルを見て気になり、買わず。

また本屋さんに行ったときにタイトルが目について、買わず。

またまた本屋さんに行ったときにタイトルを見て、購入。

帰って読み始めたら面白くて一気読み→鳥肌全開。

そのタイトルがこちら。

はっきり言って須藤元気とその友人の旅行記です。

でもね、すごく面白い。

文章の書き方がとてもユーモアに溢れ、わかりやすく知的な言葉の選び方が目立ちます。

ふとした事柄の中にとんでもない言葉を放り込んでいたりして、いかにその気付きが僕らにとって当たり前のことなのかをそこで表現しているようにも思えますね。

この本はマジでおすすめです。

タイトルにある「人生はいつだってこれからだ」というフレーズもサラッとでてきていました。

僕はこの言葉に鳥肌がたちました。

超楽観主義

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彼の書籍を読んでいると思うことが超楽観主義であること。

そして目的のために、いや、夢のために完璧な計画を練り、それに向けての努力を怠らないこと。

つまりストイックなのです。

その反面、多少のことでも「なんとかなる」というスタンスでいるためバランスがうまく取れているんでしょうね。

この心の持ち方は見習うべきとこです。

この神はテーブルクロスでは友人や私生活でのちょっとした出来事を短編で文章に落としています。

日常のなかのどんなところに可能性が転がっているか。

それをテーマに描いていて、自分の私生活にも重ねられるようなスケールになっています。

あとがきにはきちんとオチがあり、きっと楽しめると思います。

そうそう、がっつり「あなたの心を強くしましょう」ではなくてね、言葉選びから文章の構成までセンスがないとね。

いいこと書いてあるけどクソつまんねえ内容だと共感も何もありませんから。

人生はいつだってこれからだ

どの年齢、どのタイミングでもこの言葉は当てはまると思います。

クソみたいな状況でも、自分が世界で一番不幸だと思っても、或いはその逆でも。

人の人生はいつだって「これから何をしようか」しかありません。

プラス思考だとかネガティブだとか前を向くだとか、そんな安っぽい言葉ではなく、あなたには「これから」しかないんです。

そしてその「これから」は「今までがあったから」であることを忘れずに、ときに忘れて、生きましょう。

さぁこれから何をしようか。

あとがき

須藤元気の書籍は恥ずかしながら全て読ませていただきました。

でも今回紹介した二冊がいちばんおもろかったかな。

格闘家時代はどっちかと言うと嫌いなタイプでしたけどね。それすらも彼の計画とはぜんぜん気づかなんだ。

メンタル的な書籍を読んだところで何が変わるわけでもありませんよ。

「きっかけ」に過ぎませんから。

例えば、言葉がひっかかる→言葉の意味を考える→納得できる解釈を見つける→少し感動する→心の一部になる→物事を考えるときに新しく得た解釈を使う→今までと違った考え方ができるようになる→そんな自分に少し驚く→視野が広がる→他人に対しても視野が広がる→優しくなる→器がでかくなる。

こういう順序のなかのどれかひとつに当てはまるきっかけに過ぎないということです。

でもそのきっかけになるのならいいものだと僕は思います。

みなさんもぜひ。